Comme un chef (2012) / シェフ! 〜三ツ星レストランの舞台裏へようこそ〜

お久しぶりです。最近少し忙しくなり、更新が遅れてしまいました! 忙しくてもスピーディーに書けるようにがんばろうっと。

今回ご紹介するのは、フランス映画『シェフ!』。前回のご紹介したアメリカ映画『シェフ』もオススメなのですが、こちらもフランスらしいユーモアで笑顔になれること間違いなしの映画です。

あらすじ

料理人として働くジャッキー(ミカエル・ユーン)は、「最高の料理で客をもてなしたい」という強いこだわりをレストランのオーナーに理解してもらえず、トラブルメーカーとみなされ仕事を解雇される。妊娠している恋人のベアトリス(ラファエル・アゴゲ)はジャッキーとの結婚を望んでおり、彼に定職につくことを迫る。その後ジャッキーが運良く手にできたのはペンキ屋の仕事だった。

一方、三ツ星レストラン『ラガルド』の一流シェフ、アレクサンドル(ジャン・レノ)は春の新作で成功を収めなければ、15年間守り続けてきたレストランの★の数を一つ減らされるという状況にあった。しかし、アイデアの神様はなかなか降りてこない。そんな時に、彼の重要なアシスタントたちがラガルドを抜けることに。更に、アレクサンドルは娘(サロメ・ステヴナン)の論文発表に出席することを忘れていたため、親子関係も悪化し始める。まさに踏んだり蹴ったりの日々を過ごす中、自分がかつて書いたレシピを忠実に再現したスープと出逢う。驚くべきことに、そのスープを作ったのは1人のペンキ屋だった。

感想

格式高いフランス料理の真面目な話かと思いきや、いろいろとぶっとんでいて笑えました。最もおかしなシーンは、ジャッキーとアレクサンドルが敵のレストランに乗り込むシーン。日本からの要人という設定で2人は舞妓とサムライに扮します。『おいおい、逆に目立つよ!』そして、『日本人に見えないよ!』とツッコミどころ満載。舞妓は「うなぎ、天ぷら」とか呟いてて、突然舞いだしたと思ったらとんでもないことをし始めるしw

全体的な感想としては、ジャッキーが思いのままに生きている様子がおもしろく、ちょっと羨ましくもあり。その奔放さは『男はつらいよ』の寅さんに通じるものがあります。しかし、寅さんと違うところは、割とぷらぷらしていても子どもを作っちゃうところw 非嫡出子(結婚をしない親の間に生まれた子ども)が多いことで有名なフランスですが、なるほど、こういう関係もアリなのね!?

ひと癖ある主人公なのに、なんだか憎めなくて応援してしまいましたw 果たして、ジャッキーは自分の才能を活かせる理想の場所を見つけることが出来るのでしょうか!? そして、アレクサンドルの星の数をかけた闘いと娘との関係はいかに!?

Nuovo Cinema Paradiso (1988) / ニュー・シネマ・パラダイス

あらすじ

トト(Salvatore Cascio)は、シチリアの片田舎で母、妹と暮らす映画が大好きな少年。父親は戦争に行っており、家計は火の車だが、牛乳を買うために母親から渡された金を映画のチケットに使ってしまうなど、彼女トトの度を越えた映画好きにいつも手を焼いている。

トトは、映画を観るだけでなく、映写技師のアルフレード(Philippe Noiret)が働く姿を見るため、映写室にも足を運んでいた。映画ばかりで家のことを考えないトトは、母親から映写室へ入ることを禁じられるが、小学校の卒業認定の試験でトトに助けてもらったアルフレードは、彼に映写機の操作を教えることに。ある日、不慮の事故でアルフレードは視力を失ってしまう。街で唯一の映写技師であるアルフレードに代わり、トトがその仕事を始めることになる。

感想

どうして私はこの映画にこんなに心を鷲掴みにされたのだろうか?やはり一番は、アルフレード役のフィリップ・ノワレと、子ども時代のトト役を演じたサルヴァトーレ・カシオのそれぞれの表情の豊かさと、2人のかけ合いが素晴らしいからでしょう。

映像の粗さや雰囲気から、1970年代の映画かと思ったのですが、1988年公開のこの映画。ノスタルジックな雰囲気を出す意図もあったのかもしれないけれど、最新の映像技術やカメラワークにとらわれず、監督が今まで観てきた映画の世界観を土台に製作しているからなのではないかと考えました。最近の映画にはないアナログ感に打ち震えてしまいました。

また、音楽も素晴らしい。この映画を観たことがなくても、音楽は聴いたことがあるという人は多いのではないでしょうか。

映像技術が上がって、都合の悪いところはコンピュータで簡単に切ったり貼ったり加工したりできる時代になりましたが、このくらいアナログで、荒い映像の方が観ている方にとってはわくわくするのかも。前回紹介した『Once (2007) / ONCE ダブリンの街角で』も手作り感満載だったけど傑作だったし(映画のジャンルにもよるか)。

一つひとつのシーンにコメントが出来てしまうのは、この映画が、最近の映画ばかり観ている私には斬新だったから。名作といわれ続けているものを観て、もっと感性を磨かなければならないなあ、と思ったことでした。