Begin Again (2013) / はじまりのうた

先日、写真屋で「Lost Stars」が流れていて、その後、この曲が頭からなかなか離れません。ということで、今回はLost Starsがストーリーの核となっている映画『Begin Again(はじまりのうた)』を紹介します。

はじまりのうた-オリジナル・サウンドトラック

あらすじ

グレタ(Keira Knightley)は、恋人であり作曲のパートナーでもあるデイブ(Adam Levine)の曲が映画に採用されたことをきっかけに、彼とともにニューヨークに引っ越して来る。しかし、ツアー中、デイブは契約した大手レーベルの社員と浮気をする。

デイブのもとを去ったグレタは、音楽繋がりの長年の友人スティーブ(James Corden)を頼ることに。スティーブの出演するライブで、彼に無理やりステージに上げられたグレタは、自分の曲を歌い始める。誰からも見向きもされないグレタの音楽を、一人のみすぼらしい姿をした男が見つめていた。彼の名はダン(Mark Ruffalo)。彼は、自らが立ち上げた大手レーベルを解雇され、家族にも嫌われ、人生のどん底にいた。ダンは誰からも相手にされない彼女の音楽にダイヤの原石を見出す。

感想

Maroon5(アメリカの人気バンド)のアダム・レヴィーンが出ていることで、「商業的なにおいがする」と考えている人もいるんじゃないでしょうか。しかし、彼の役は主人公2人の曲の作り方と対比する形で非常に重要な役です。何かを製作することを生業にする人にとって、大いに共感できるストーリーになっているのではないでしょうか。

主人公2人の演技がナチュラルで秀逸。なぜあんな表情が作れるのでしょうか。彼らの演技に心揺さぶられます。

グレタの友人役のジェームズ・コーデンは、実際ではこんな愉快な人です。

歌唱力ありすぎる…恐るべきジェームズさん。

舞台であるニューヨークの汚さがあのまんまなところもすごく良いですね。現地のにおいがしてきそうな映像作り。本物を追い求める主人公2人の性格と合っています。

「この映画に出会えて良かった」、としみじみ思えた作品でした。

公式サイト(日本語) http://hajimarinouta.com/

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Love & Other Drugs (2010) / ラブ & ドラッグ

あらすじ

ジェイミー(Jake Gyllenhaal)は電器店で働いていたが、女癖の悪さから解雇される。その後、大手製薬会社のファイザーで営業として働き始めたジェイミーは、若年性パーキンソン病を患うマギー(Anne Hathaway)と出会う。体だけの関係を求めるマギーだったが、ジェイミーは段々と彼女に惹かれていく。

感想

ジェイク・ジレンホール、チャラい男が板についてます。だからこそ、切ないストーリーが際立っています。セックスだけの関係だからこそ、心を許せると思ったマギーの計算は狂い、彼女の本当の性格にジェイミーは段々と惹かれていきます。

私の好きなオーストラリアのドラマ『プリーズ・ライク・ミー』で、マイノリティに擦り寄る癖みたいなことをなんとかコンプレックス(どうしても思い出せない!)と呼んでいたけど、ジェイミーもこれかも。多くの日本人は不幸な人から去ったり距離を置こうとする人が多いような気がする。私も海外に住んでいたときに、自分のコンプレックスを初めて吐露できて、だけど多くの人が側にいてくれて、初めて一人じゃないんだって思えたし、人の温かさを感じた。宗教的なものが関係しているのかなぁ。

アン・ハサウェイも、ジェイク・ジレンホールも、目がぎょろっとして、存在感が大きい。この2人、「主役」のオーラがすごい出てる。あと、ジェイミーの兄弟役のジョシュ・ギャッド(Josh Gad)、病院の事務員役のジュディ・グリア(Judy Greer)も脇役としていい味出してる。ジュディ・グリアは脇役としての地位を確立していると思う。

「相手の人生にも責任を持つことってどういうことなんだろう?」という疑問に対し、少しヒントを与えてくれた映画でした。

公式サイト(日本語)
http://video.foxjapan.com/movies/love-drugs/index.html

Chef (2014) / シェフ 三ツ星フードトラック始めました

 

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あらすじ

主人公のカールは、人とのコミュニケーションは苦手だが、料理を作らせたらピカイチの男。ある日、有名な料理評論家がカールの働くレストランに来ることになった。カールは自分のセンスを活かした創作料理を提供したかったが、レストランのオーナーは定番の料理を作るよう強要する。その後、評論家から、つまらない料理だったなどとインターネット上でこき下ろされる羽目に。オーナーのやり方が合わないと感じたカールはレストランを退職することを決意。そして、キューバサンドイッチを提供するフードトラックを始める。

感想

何度も観たこの映画。気に入っている点は色々あるのですが、この映画で一番好きな点はソフィア・ベルガラが登場していることかも(笑)彼女を見ると陽気な気分になれるんです。ドラマ「モダン・ファミリー」でも彼女の存在感は大きい。なんといってもあのスパニッシュ訛り!この映画ではモダン・ファミリーのようなちょっとネジの飛んだ若妻ではなく、キャリアウーマンで主人公カールの元嫁役。

ストーリーも、先日紹介した『ジュリー&ジュリア』のようにキュッとまとまっていて、非常に観やすい。それぞれの役のキャラも立っていておもしろい。

どんな形であれ、自分の作るおいしい料理で人を喜ばすことが自分の使命だと考えているカールの生き方は素敵。ポジティブな気持ちにさせてくれるこの映画を是非観てみてください。

 

 

Her (2013) / her/世界でひとつの彼女

あらすじ

セオドア(Joaquin Phoenix)は妻(Rooney Mara)と別居をしているが、離婚届にサインをすることに踏み切れずにいる。ある日、セオドアは世界初の人工知能を備えたOSを手に入れる。OSは自らを「サマンサ」と名付ける。

感想

主人公とOSのサマンサが親しくなればなるほど、欲求不満な感覚に陥りました。思い出すだけで鬱になる・・・。本当に好きになった人を抱きしめることができないなんて辛すぎますよ。

自分の心を本当に理解し孤独を癒やしてくれるなら、機械であろうと恋に落ちることが可能だ、ということを示唆している映画。だけど、私は恋に落ちたその先が悲劇だと考えるので、やはりOSとの恋は遠慮いたします。

Official website(英語) http://www.herthemovie.com/#/home
Official website(日本語) http://her.asmik-ace.co.jp/

 

Julie & Julia (2009) / ジュリー&ジュリア

ジュリー&ジュリア (字幕版)

あらすじ

ジュリー(Amy Adams)とその夫エリック(Chris Messina)は、ニューヨークに越してきたばかりの新婚カップル。ジュリーが新天地で得た仕事は、9.11同時多発テロに関する一般の人々からの相談窓口、苦情処理。やりがいはあるも、感情移入しやすいジュリーはストレスを溜めてしまう。大学時代の友人との同窓会で、バリバリのキャリアウーマンになった友人たちと自分との違いを思い知る。生きがいとなるものを探したいと考えたジュリーは、料理研究家ジュリア・チャイルド(Meryl Streep)のレシピ本の料理を再現し、ブログに投稿し始める。

感想

ジュリーとジュリアはともに感情表現が豊かで、とってもキュートです。自然でコミカルな彼女たちの表情、言動がおもしろい。キャストも素晴らしいですが、内容も、矛盾のない安定したストーリーラインで安心しながら観ることができました。愛情たっぷりの料理を作るジュリアと、ジュリアの料理への愛を感じながら料理を作るジュリーの素敵な物語です。

 

The Lunchbox (2013) / めぐり逢わせのお弁当

あらすじ

イラ(Nimrat Kaur)は主人のために、毎日愛情たっぷりのお弁当を作り、「ダッバーワーラー」と呼ばれる弁当配達人に託している。ある日、そのお弁当が間違って退職間近のサージャン(Irrfan Khan)のデスクに届いてしまった。

感想

主人公のインファン・カーンは、非常に深みのある演技をする役者さんだと思います。『スラムドッグ$ミリオネア』では、主人公を拷問にかける警察役を演じました。この映画では、その役とは打って変わって、枯れかけた中年役を演じています。作品によって、色々な顔を持っていそう。他の作品も観てみたいです。

また、もうひとりの主人公、ニムラト・カウルは、演技はさることながら、優しく語りかけるような声が魅力です。インドの女優さんの声といえば、『マダム・イン・ニューヨーク』の主人公、シュリデヴィや、『スラムドッグ$ミリオネア』のフリーダ・ピントの声も素敵。インドではキャスティングの際、演技力だけではなく、声を重視しているのかも。

主人公の後輩(Nawazuddin Siddiqui)も良い味出してます。暗い過去を持っているんだけど、根が明るくて、悲しいシーンもクスッと笑えるようなキャラクター。こういう演技がサラッと出来るのは素晴らしいですね。

また、今まで数々の日本語タイトルのセンスのなさに筆者は悲しんできたわけですが、このタイトルは良いと思います。「『お弁当』が誰と誰を『めぐり逢わせる』の?」、「そもそも外国のお弁当ってどんな感じだろう」と、心惹かれました。

テレビによって、日本人の殆どがインドに対してちょっとネガティブなステレオタイプを持ちがちだと思います(NY出身のインド系アメリカ人、コメディアンで俳優のアジズ・アンザリも時々自嘲気味にこのエピソードを引用する。グローバルにインド人に対する共通認識・固定観念があるのかもしれない)。この映画は、その認識を覆し、我々とインド人との距離を縮めてくれるような作品だと言えるでしょう。

オフィシャルサイト(英語)
http://sonyclassics.com/thelunchbox/home/

オフィシャルサイト(日本語)
http://lunchbox-movie.jp/

 

La La Land (2016) / ラ・ラ・ランド

日本で2017年2月24日公開の『ラ・ラ・ランド』を観に行きました。主演がエマ・ストーンとライアン・ゴズリングという光った演技をする2人なので、日本での公開を楽しみに待っていました。

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あらすじ

ミア(Emma Stone)は女優を目指すべく大学を中退し、ロサンゼルスに移って6年になる。何百回というオーディションを受けるも、一次試験を通ることも出来ずにいる。ある日、友人から誘われたパーティーの帰り、自分の車をレッカー車で撤去されたミア。歩いて帰る途中、レストランから心を揺さぶるようなピアノの音が聴こえてきた。

感想

夢と現実の狭間で揺れ動く、ミアとセバスチャン(Ryan Gosling)。互いに刺激し合って人生の駒を少しずつ前に進めるようすが描かれている。ときに強く、ときに脆い2人の関係が表現されています。

ライアン・ゴズリング、いいっすね。『きみに読む物語』でもそうだったけど、女性絡みで可哀想な男の役が板についてる。エマ・ストーンは、個人的に好きな女優なのですが、ミア役で良かったのか正直分からない。『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜や『ラブ・アゲイン』のように、安定した地位の中での奔放さを持つ役が似合う女優だと思います。

(2017年2月27日追記)
エマ・ストーン、オスカー取りました。その他、6部門で受賞が決まりました。

オフィシャルサイト(英語) http://www.lalaland.movie/
オフィシャルサイト(日本語) http://gaga.ne.jp/lalaland/

 

Demolition (2015) / 雨の日は会えない、晴れた日は君を想う

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あらすじ

義父の経営する投資銀行で働くデイビス(Jake Gyllenhaal)は、突然の交通事故で妻(Heather Lind)を亡くす。しかし、どういうわけか悲しみが訪れない。家族や同僚の気遣いから、悲しいのが普通であるとは理解していても、涙が一滴も出ない。

デイビスは、妻が事故後に運ばれた集中治療室の前の自販機を思い出す。その自販機でチョコレートスナックを購入しようとコインを入れたが、なぜか商品が出てこなかった。自販機会社にクレームの手紙を書き始めたデイビスは、クレームに加え、スナックを購入しようとしたときの状況を鮮明に綴る。個人的な話を含む何通かの手紙を自販機会社に送ったある日、カスタマーサービス担当のカレン(Naomi Watts)から電話がくる。

感想

『ダラス・バイヤーズクラブ』のジャン=マルク・ヴァレ監督の描く作品。存在感のある二枚目俳優を起用してます。ジェイク・ジレンホール、まじで濃いっす。

他の登場人物では、カレンの子ども役のクリス(Judah Lewis)が良い感じ。子どもであろうが大人であろうが、ああいう我が道をいく人間がすごく好き。そして、ちょっと悪いことしてても、その大胆さを認めてあげる大人が周りにいるのも良いと思う。

相手の死を受け入れ、悲しむという感情がゴールだとしたら、この映画はそのゴールまでの道のりが大きなテーマになっている。デイビスは何かを壊すことによって、妻との思い出がよみがえってきた。そして、それが二度と掴めないものだと気づく。出来れば、相手の生きているときに良き記憶を辿り、相手を思いきり抱きしめることができたら良いですよね。

Official website(日本語) / http://ame-hare-movie.jp/


Breakfast at Tiffany’s (1961) / ティファニーで朝食を

ポスター オードリー・ヘプバーン ティファニーで朝食を PP-30403

あらすじ

ホリー・ゴライトリー(Audrey Hepburn)は富豪と結婚を目論むパーティーガール。彼女の住むアパートに、若手作家ポール・バージャク(George Peppard)が越してくる。その晩、ポールの部屋の寝室に、男に追われているホリーが勝手に上がり込んでくる。

感想

正直、ストーリーや登場人物の性格に掴みどころがなく、分かりにくい物語だなと感じました。奔放なホリーを描きたかったのだろうけど、もう少しティファニーやお金、男選び、もしくは愛する弟と一緒に住むことに対する想いや執着を描いてもよかったのかな、と思います。また、ポールも作家としての何か、「らしさ」みたいなものがあれば、と、すべて私の希望ですが。

しかし、当時のアメリカが分かることがなかなかおもしろいと思います。「メキシコの土地は高すぎて買えない」というシーンと、ホリーが南米からのハンサムな富豪(José Luis de Vilallonga)に嫁ごうとするシーンから、中米以南が、少なくともホリーにとっては、生活の基盤を作る場所として映っていたように思えます。アメリカ人にとって、他国に行くことで安定を求める時代もあったのですね(あぁ、無知だねえ)。

内容とは逸れますが、日本人役のユニオシ(Mickey Rooney)の存在が人種差別的だと議論を呼んだそうです。私としては、映画にザ・ドリフターズのようなコミカルさを取り入れたかっただけかと思ったのですが。こういう感じ方も、時代が変わったということなのでしょうか。

ストーリーは混沌とし、現実感もあまりない映画ですが、美しい音楽とニューヨークの景観、そして俳優たちが、名作へと引っ張っていっている印象を受ける映画でした。

 

Up in the Air (2009) / マイレージ、マイライフ

Up in the Air

あらすじ

主人公ライアン(George Clooney)は、取引先に赴き、人員整理による解雇を社員に通告するプロフェッショナル。アメリカを飛び回り、今日も非情な宣告を行う。

感想

ジョージ・クルーニー、セクシーなおやじになりました。『素晴らしき日(One Fine Day)』では、二枚目と三枚目が混在した青年という感じ。これが「いい年のとり方」ってやつか。

アナ・ケンドリックは演じていないとき、勝ち気すぎて私はあまり好きになれないのですが、自然体な演技と、若者のエネルギーを感じさせるところが人気の理由かなと思います。この映画では、教育係のライアン(ジョージ・クルーニー)に「あんたは12歳よ!」と言い放つのがちょっとスカッとした。

「冷徹な主人公だなぁ」と思いつつ観ていたら、ライアンも人並みに家族との関係で悩んだり、家族から結婚への圧力を感じていたりと、人間らしい一面を見せます。その点がこの映画のおもしろさの一つだと思います。解雇通告の専門会社というのは本当に存在するのかな?あるとしたらあまり働きたくないなあ・・・。人々を地獄に突き落とす仕事を、ライアンはどう捉えているのか、最後の最後になんとなくわかります。

ジョージ・クルーニーはもうすぐ父になるようですね。おめでとう!